HOME > 意見表明(1998年-2010年) > (須磨少年事件に関連して)株式会社講談社に対する申入書
(須磨少年事件に関連して)株式会社講談社に対する申入書
1998年(平成10年)5月27日
株式会社 講談社 御中
神戸弁護士会 会長 小越 芳保
申入書
貴社は5月25日発売の「週刊現代」(6月6日号)において、神戸小学生連続殺傷事件の精神鑑定書なるものを入手したとして、これを掲載して発売されたことは、誠に遺憾であります。
この行為は、鑑定書が真実であると否とに関わらず少年法の趣旨に反するものであり、少年の矯正とりわけ社会復帰後に著しい影響が懸念されるばかりか、被害者感情にも重大な影響を及ぼすものと考えられ、人権尊重の理念に反するものです。この記事を掲載して社会的病理に対峙することよりも、より人権が尊重されるべきです。
よって、貴社におかれましては、今後このような記事の掲載については差し控えるべく、より慎重に対応されたく申し入れいたします。