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情報公開法の早期制定を求める声明
1998年(平成10年)11月12日
神戸弁護士会 会長 小越 芳保
情報公開法は、国の情報を国民に開示し、国民による行政の監視と参加を充実させるため、かねてからその早期制定が求められてきた。当会は、国民の知る権利を実質的に保障し、地方の住民の声を反映した情報公開法の早期制定を求めて、各種の運動に取り組んできた。
第142回通常国会において、ようやく情報公開法政府案が提出されるにいたったが、同法案は継続審議となり、第143回臨時国会においても実質的な審議はほとんど行われないまま再び継続審議となった。このような状況では、情報公開法の早期制定に深刻な懸念を持たざるを得ない。
しかるに厚生省によるエイズ研究班会議議事録テープ隠し、防衛庁幹部の装備調達をめぐる背任事件、通産省系の政府特殊法人石油公団による乱脈融資事件など、情報公開法の早期制定の必要性を示す事件が相次いでいる。
これまで当会も繰り返し表明してきたように、情報公開法には国民の知る権利を実現するものであることを明記し、地方に在住する住民が当該地方で訴訟を提起することができるための地方裁判管轄規定や低廉な手数料規定が盛り込まれるべきであり、これらは情報公開法が真に国民のためのものであるために必要不可欠の規定である。
当会は、真に国民の知る権利に資する情報公開法が一日も早く制定されるよう強く求めるものである。