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個人情報保護法案の継続審議に関する会長声明
2001年(平成13年)11月15日
兵庫県弁護士会 会長 大塚 明
現在の臨時国会に上程されている個人情報保護法案が、継続審議となった。
個人情報の保護それ自体は望ましいことであるが、この法案には民間情報の国家規制の側面が大きく、日本弁護士連合会も抜本的な修正のない限り極めて危険な法案であるとして反対を表明してきた。
この法案の問題点は、
1.公的部門に対する規制を先送りしながら、すべての民間部門のみを規制対象とする構造的欠陥を有し、また厳格な構成要件によらないで罰則規定を設け、個人情報保護の名の下に民間情報を国家がコントロールする民間情報規制法ともいうべき極めて危険な法案であること、
2.弁護士、弁護士法人、弁護士会、日本弁護士連合会が、報道機関、学術研究機関、宗教団体、政治団体とは異なって個人情報取扱業者の義務規定の除外対象となっておらず、弁護士自治や弁護士の守秘義務を侵すと共に司法の独立にも抵触するおそれがあること、
等々である。
私達は、とりあえずこの法案が継続審議となったことを歓迎するが、問題は何ら解決されていない。政府はこの法案を抜本的に再検討し、公的部門の個人情報保護の法整備を直ちに実施すると共に、民間部門の個人情報保護に関しては、弁護士会やマスコミなどの批判を謙虚に受け止め、真の個人情報保護をめざす法案として再検討すべきである。