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意見表明(1998年-2010年)

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法律扶助予算の拡充を求める共同声明

2002年(平成14年)5月2日
兵庫県弁護士会 会長 藤野 亮司
財団法人法律扶助協会兵庫県支部 支部長 大塚 明

 民事法律扶助法は、法律扶助を国の責務と規定している。法律扶助は、憲法に定める基本的人権としての「裁判を受ける権利」を実質的に保障するものであり、法律の規定とあわせ考えるときに、国は国民の権利を守るために最大限の努力を尽くさなければならないことは当然であって、財政上の理由によって権利保護を制限することが許されないことは当然といわなければならない。

 既に昨年度末には、予算不足による財政上の理由によって、全国各地の扶助窓口が扶助申込受付を中止したり制限せざるを得ないという異常事態に遭遇した。わが国の法律扶助制度は、諸外国に比してもあまりに貧弱というほか無く、扶助基準の拡大を含めて、早急な基盤拡充が求められている。そのような折に、既存の扶助基準による申込さえも拒否せざるを得ないという、扶助機能の一部停止の事態を招いたことは、わが国の先進国、福祉国家としての存在を否定するものであって、あってはならないことである。

 国民の基本的権利が、国の予算上の都合、それもわずかの規模での予算さえもつけられないという理由によって、守られずに放置されるというような事態は、けっしてあってはならないことであり、政府が早急に扶助予算について格段の配慮をなされるよう、強く要望するものである。