「仕事の中のけがに補償は-労災保険で8割カバー」神戸新聞 1998年4月17日掲載
執筆者:荻野 淳弁護士
仕事中のけがにはどのような補償が受けられるのでしょうか。今回は一般的な労災保険の内容を紹介します。
相談者:私は工場で作業中に機械に巻き込まれて大けがをしたのですが、どんな補償か受けられますか。
弁護士:大変でしたね。仕事中のけがですから、労災保険が適用になります。
相談者:具体的にはどんな補償ですか。
弁護士:治療については療養補償給付が受けられます。労災病院か指定病院での治療を無料で受けることができます。
相談者:自宅の近くにそのような病院がないときはどうすればよいのですか。
弁護士:自分で払った治療費の支払いを求める療養費用の請求という手続きがあります。
相談者:仕事を休んだ分の給料の補償がないと、生活に困るんですが。
弁護士:休業補償は医師の判断で休業が必要と認められると、休業四日目から一日につき過去三カ月間の一日あたりの平均賃金の六〇%、加えて二〇%の休業特別支給金が支給されるので、合計八○%が給付されます。
相談者:休業三日目までの給付はないのですか。
弁護士:最初の三日間は事業主が直接平均賃金の六〇%の補償をすることになっています。
相談者:手続きはどのようにすればよいのですか。
弁護士:労働基準監督署に請求手続きをしてください。
相談者:後遺障害が残った場合はどうですか。
弁護士:障害の程度に応じて障害補償給付がなされます。
相談者:会社に対して損害賠償を請求できますか。
弁護士:事故が、本来備えられているべき機械の安全性が確保されていなかったなど会社か配慮を怠って発生した堤含は、会社に対して慰籍料など損害賠償請求をすることかできます。弁護士に事故の発生状況を話してみてください。