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2003年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「クレジットの支払い-詐欺商法なら拒否」神戸新聞 2003年12月16日掲載

執筆者:藤原 唯人弁護士

Q:電気料金が半額以下になるという商品説明を信じて、24回分割のクレジットで10万円の家庭用照明器具を購入したのですが、説明どおりの省エネ効果はありません。このような場合もクレジット代金を支払わなくてはいけないのでしょうか。

A:販売店の商法が、単なる営業上のオーバートークを越え、詐欺にあたるという前提でお話をします。
結論から言うと、あなたはクレジット代金の支払いを拒むことができるでしょう。

本来、販売店との売買契約と、クレジット会社とのクレジット契約とは別個の契約であるため、販売店に対して主張できることを、クレジット会社に対して、当然に主張できるわけではありません。

しかし、クレジット会社は、販売店の活動によって自ら収益を上げることができるのに、販売店の行為について、クレジット会社が全くリスクを負わないのは妥当ではありません。あなたのように、詐欺商法に遭ったときまで、購入者がクレジット会社に支払いを強制されるのでは、かえって公平を損ないます。

そこで、 割賦販売法によって、政令の定める指定商品に関する売買であって、この売買が商行為にあたらず、また一定以上の支払総額であるなどの条件を満たす場合、販売店に対して主張できること(抗弁)をクレジット会社に対しても主張できるものと定められています。

あなたの購入した照明器具は、政令の定める指定商品に含まれますし、家庭用に購入したものであり商行為ではなさそうです。よって、販売店の詐欺による売買契約取消を、クレジット会社に対しても主張することができ、そのためクレジット代金の支払いを拒むことができることになります。