兵庫県弁護士会について

会長あいさつ

兵庫県弁護士会
会 長 中上 幹雄

 2022年度兵庫県弁護士会会長に就任しました中上幹雄です。林亜衣子,瀬合孝一,高島章光,木村倫太郎、田村貴司の5名の副会長と共に,来年3月までの任期の間,精一杯務めますのでよろしくお願いいたします。
 当会には旧五国と呼ばれる兵庫県内に事務所を置くすべての弁護士が加入しており、当会は、広大な県下を複数の区域に分けて,神戸本部,阪神支部,伊丹支部,明石支部,姫路支部,豊岡支部の各支部を設け、これら本部、支部に所属する合計998名(うち女性会員216名)の会員が、各々法律事務所を構えて,日々、弁護士業務を行っています。
 弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、弁護士会は個々の弁護士の活動を指導、監督、サポートするものとされています。これらの使命実現のために、弁護士が市民の皆様のためにどのようにお役に立てるのか、何ができるのかを考えますと、法律の専門家としてまずできることとしましては、法律上のトラブルが発生したときに、また法律上のトラブルかどうかわからないまでもとにかく困りごとが発生したときに、法律相談により市民の皆様の不安を取り除くことであると思っております。もっとも、個々の弁護士の力は微力であり、市民の皆様のニーズにすべて対応することは質的にも量的にもできません。そこで、私たち弁護士会が、得意分野をはじめとした個々の弁護士の力を結集し、一般的な法律相談や弁護士紹介業務を実施しているほか,遺言・相続,中小企業支援,刑事弁護,犯罪被害者支援,高齢者・障がい者支援,消費者被害,空家対策等の特定分野に関して個別にセンターを設置し,専門的な法律相談や弁護士紹介業務を実施しています。また、広大な兵庫県全域における市民の皆様のニーズをカバーするために、先に挙げましたお近くの支部会員弁護士が法律相談を実施しております。
 また、最近では一昨年来の2年以上にわたる新型コロナウィルスのまん延で社会情勢は大きく変貌し、新たな差別や人権問題も発生し、経済的にも市民生活は大いにダメージを受け疲弊しております。加えて、ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻など、「われらは全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という我が国憲法の理念と真っ向から反対する事態が発生するなど、直接の戦禍は受けていない日本国民に対しても大きな不安を生じさせています。
 このような時代だからこそ、私たち弁護士会は、市民の皆様の不安を取り除くべく、積極的に活動していかなければならないと思っています。不安を抱える市民の皆様の相談を待っているだけでは弁護士の使命を果たすことはできません。市民の皆様に頼られて初めて弁護士としての使命を全うすることができます。
 そこで、市民の皆様の不安を取り除き、多様かつ多数の市民の皆様のニーズに対応していくために、弁護士会として、自治体や各種団体との連携をさらに進めていこうと考えています。
 弁護士は敷居の高い存在ではありません。法律という分野を職業としているだけで、他の職業と変わりはありません。市民の皆様にとって弁護士が何でも相談できる身近な存在でありたいと思っていますので、どうしよう?と不安が生じたときは遠慮なくお声かけください。弁護士はあなたのそばにいます。