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2019年1月11日付 兵庫県警察本部長、兵庫県灘警察署長宛 勧告

 知的障害を有する申立人が、勤務先からの帰宅途中に路上にて、灘警察署の警察官から職務質問を受け、その際に警察官は申立人から療育手帳を示され障害の存在を認識し得たにもかかわらず、申立人は路上での2度の所持品検査を受け、灘警察署に移動後も、約1時間半の署内での留め置き・所持品検査・スマートフォンの写真の閲覧・申立人の写真撮影・今後特定の公道を歩かない旨の上申書の作成をさせられました。この一連の流れにおいて、警察官らが障害者権利条約や障害者基本法で求められている障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保すべき配慮が行なわれず、申立人の適正な手続によらない捜査等を受けない利益やその他様々な申立人の人権を侵害したまたはそのおそれがあったと判断し、障害者への相当な配慮を欠いた対応を改めるとともに、障害者権利条約や障害者基本法で定められている研修その他必要な施策を通じて障害者に対する相当な配慮の実施を徹底するように勧告するものです。