法教育委員会では、主に小学生・中学生・高校生を対象として、弁護士の知識や経験をもとに法教育を行う活動を行っています。法教育といっても、法律の知識をただ教えるだけではなく、法律や司法制度の基礎となっている価値を理解し、自由で公正な社会を実現するうえで重要な「法的な考え方」を身につけてもらうことを目的としています。
法教育委員会としての活動内容は、主に次の3つです。
1.講師派遣(兵庫県内の小学校、中学校、高等学校対象)
以下のテーマで、弁護士を各学校へ講師として派遣して授業を行っており、例年、多数の学校からご依頼をいただいています。「公共」科目への対応も、パイロット段階から模擬調停などの形で行ってきました。ラインナップは以下の通りです。
- 【キャリア教育に対応】 弁護士の仕事や裁判のしくみを知る
- 【消費者教育に対応】 契約のあれこれ/あなたも契約をしている/賢い消費者になるための学び
- インターネットやSNSをめぐるトラブル対処法
- こどもの人権(いじめ、少年事件など)への理解
- 子ども(未成年)が知っておくべき労働問題
- 【主権者教育に対応】 選挙の流れ/主権者教育についての学び
- 性の多様化(LGBT、男女平等など)への理解
- その他 模擬裁判や模擬調停、さまざまな価値観とともに生きることなど
授業内容については、高等学校学習指導要領の改訂に伴う「公共」科目への対応、授業カリキュラムにあわせた修正など、各学校の要望に応じて柔軟に対応しております。ご興味をお持ちの学校関係者がおられましたら、下記応募フォームよりお申し込みください。
【申込みURL】
https://ws.formzu.net/dist/S3904884/
2.ジュニアロースクール
夏休み期間中の中学生を対象に、ジュニアロースクールを開催しています。
実際の裁判の傍聴、法律事務所の訪問のほか、参加いただいた生徒さんが主体となって、ルール作りや模擬裁判を実施しています。
ルール作りは、複数の関係者の間で生じたトラブルを解決するために、参加いただいた生徒さんがそれぞれの関係者の代理人役となり、全員が納得出来るルールを他の生徒と協議しながら作り上げていくというプログラムです。
また、2020年からは、弁護士と時事問題について法的観点も踏まえながら語り合うオンライン座談会も企画、実施しています。
いずれのプログラムも、決まった正解は用意されていません。同世代の意見を聞くことで多様な考え方があることを実感してもらったうえで、事実に基づいた議論を行うことで、法的な考え方を身につけてもらうことを目的としています。
参加された生徒さんの鋭い意見や柔軟な考え方は、弁護士を唸らせるものも多く、開催する弁護士側も楽しみにしているイベントの1つです。
開催の案内は、例年各中学校宛に配布しておりますが、ご関心のある方は、下記の連絡先から、担当事務局宛に直接お問い合わせ下さい。
兵庫県弁護士会代表電話 078-341-7061
3.高校生模擬裁判選手権
夏休み期間中に、日本弁護士連合会が主催する高校生模擬裁判選手権が開催されており、これに参加する兵庫県下の高校に対し、法教育委員会より支援弁護士を派遣しています。
高校生模擬裁判選手権とは、架空の刑事裁判を題材に、参加する高校生が検察官役及び弁護人役となり、証人尋問、被告人質問及び論告・弁論を全て自分たちで考えて実践することを通じて、①事実を的確に把握し、多面的な視点で考える力、②事実に基づいて論理的に意見を構成する力、③意見をわかりやすく他者に伝える力を育成することを目的とするものです。
大会本番前に2ヶ月程度の準備期間があり、その間に支援弁護士が各学校へ派遣され、尋問の準備や、論告・弁論の文案作成を支援するほか、模擬裁判当日の運営スタッフや、尋問を受ける証人・被告人役も弁護士が担当しています。
兵庫県はとくに激戦区です。毎年参加を希望する学校が増えてきており、非常に人気の高いイベントとなっています。